仏教でいう仏(ブッダ)とキリスト教の神(ゴッド)はどう違うのですか?

 キリスト教の神とはキリスト教を創った創造主とされていますね。ところが、仏教でいう仏とは、そのような創造主ではなく、簡単にいうと宇宙と我が心に共通して備わる「真理を悟ったお方」のことをいうのです。

 キリスト教の神は人間ではありませんし、人間は神になることはできません。

 一方、仏教の仏とは人間の最も完成された方として私たちの延長上におられるのです。ただし、今から約3000年前にインドに現れ、50年間にわたって教えを説かれた釈尊(シャカムニ・ブッダ)は、そのご晩年の法華経という教えの中で「私の本地は、永遠の生命を備えた根本仏である」と説いておられます。

 法華経に説かれる仏とは空間的にはこの宇宙を包み込み、時間的にもこの宇宙の始源から存在している仏ということになりますね。

 キリスト教でいう神とは、創造主としての特徴を備えてどこかにいる、そしてもう一方に被創造主(クリエイティード)としての人間がいるわけです。

 つまりキリスト教の神というのは相対的な存在ということになります。これに対して久遠本仏は我々人間を含め、すべての存在を包み込んでいる絶対的な存在と考えればいいでしょう。ですから我々も本来、本仏の一部なのですね。