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スマトラ沖地震・HBSスリランカ・津波被害緊急支援室
HBSスリランカ第二次支援活動レポート

ご奉公を振り返って

妙深寺 瓜生

妙深寺におけるスマトラ沖地震・津波災害に伴うスリランカ支援活動は、発生と同時に展開されました。ご住職は福岡御導師、現地のスリランカご信者さま方と電話やメール、ファックスを通じて連絡を取られ、被害状況を確認され、直ちに「津波被害緊急支援室」を設置されました。

最初の活動として義捐募金の開始を妙深寺ホームページ及び寺内に募金箱を設置し呼びかけた。丁度元旦初総講であったことも手伝ってか、小さな子供がお年玉を募金する姿も見られ心温まる思いがしました。

早期に現地にという動きもありましたが、マスコミによる報道の通り大変な混乱の中、現地支援はとても困難であり、福岡御導師が第一次支援活動として1月10日〜1月18日まで現地にお入りになられるので、その結果を得てからと言うことで待機することとなりました。そして、福岡御導師より「第二次支援活動として、ご信者方、特に若者たちを同行させていただけないか」というお声掛けをいただき、当住より人選依頼を受けました。時期は3月4日〜9日までと言うことであり、当山のお会式と重なり、また年度末でもあることから人選には苦慮しました。ここで、私が先ず感銘したのは、「未来の御弘通を担うのは若者である」このご奉公を通してさらに大きな力をつけてくれることを信じ、だから教養会からの人選でなければならないとおっしゃっていただけたことです。また、若者を同行するということはかなりの決断が必要です。何かあったら責任問題にもなるし、中傷もされるでしょう。当住は「もし、何かが起るとしたら、みんなの心の隙間に魔が生じることである。そして、このことで御弘通が終ることもある。それだけ重大なご奉公である。参加者、妙深寺全体で御祈願、お助行をさせて頂きましょう」と並々ならぬご決断をくださったことです。

6名のメンバーが決定し、総勢9名による準備ご奉公が始まりました。メンバーは誰一人としてこのような経験があるわけではありません。いろいろ寄せられる情報にあれもこれもと準備をしました。仏具が喜ばれるということで、ご信者の皆様に声をかけると1週間余りで大きなダンボール3箱にもなるお道具が集まりました。一つひとつ磨き、丁寧にお包みしました。このご奉公にもいろいろな方が手伝ってくださり、また一つの輪ができました。そして、これらは新入信者宅、地区の親会場設立時にと現地の方にお渡しさせていただきました。また、プリンターをということで、これも4台ご提供いただいた。しかし、現地での調整が困難なものについてはお断りし、2台持参しました。

佛丸が喜ばれると聞くと、寺内に眠っていたシールや敷物を提供いただきました。これらをメンバーのアイデアから現地の人々に喜ばれるようにと工夫をし持参しまた。これらも大勢集まった子供たちやご信者さん方にお渡ししました。

2、3月はマラリアの最盛期です。蚊に刺されないようにと、みんなで時期はずれの蚊取り器を探しました。1、2名は洒落た蚊取り器を購入できましたが、あとは渦巻き型の蚊取り線香を持参し煙ったい日々を送りました。これはレストランでは断られ、ホテルでは物珍しげに質問される羽目になりました。「百聞は一見にしかず」行ってみれば恐怖感も拭え、蚊はどうでもよくなりました。終ってみると笑いと反省ばかりが残る準備ご奉公でした。

今回のご奉公で、私なりに若者たちには二つの目的をもっていました。一つ目はご信心とは何かを学ぶ。二つ目は人間にとって何が大切かを学び、これからの人生に役立ててほしい。自分にもできないことを願っていました。一つ目はスリランカという地で、大きな声でただひたすらお題目をお唱えすることで、お題目しかないということを参加者を通して、現地のご信者さんを通して皆が体感できました。最初のお助行での体全体が震えるようなお看経があがったことを忘れることはないと思います。透き通った瞳、素直な心、決して挫けることのない明るさ、瓦礫の中を素足で走り回る子供たちに接し、なんの躊躇いもなく子供たちと手をつなぎ輪の中に溶け込んでいく若者たちを見ていて、彼らは人としてかけがえのない大切なものを得ることができたと確信できました。それは「お題目しかない」「私は絶対に医者になる。物ばかりが増え、豊かになり、逆に心はどんどん貧しくなっている今の日本にこそ、もっとこの素晴しい教えが広まるべきだと思います。そして、少しでも苦しんでいる人がいたらこの御信心を素直にお勧めさせて頂こうと改めて決心させて頂きました」「素直な心、人間の強さを学んだ」と感想の中からも感じ取れました。このときほど長い間薫化会のご奉公をさせていただき本当に良かったと思わずにはいられませんでした。

福岡御導師とご一緒にお助行させていただくことで、御導師から多くのことを学べるはずだと当住は申されていました。「ただお題目をお唱えさせていただくことしかない」本当にそうだと思いました。津波に流され何もない家の壁にご本尊をおかけし、お題目を唱え終わった時、肩を叩かれ「ここは私の家」と言われたときに言葉ではない一緒にお題目を唱えることだと実感しました。

当住の意をどれだけ汲むことができたかわかりませんが、今回のご奉公は行かせていただけたことだけでもでありがたいご奉公だったと思います。

最後に誰一人として大病もせず、ケガもなく無事帰山できたことは、福岡御導師の細心のお心使いと御祈願、お助行下さったご住職はじめお講師・奥様方、ご信者の皆様方のお蔭と随喜いたします。また、多大なる義捐金をご寄付くださった皆様には、現地の様子、活動状況をできるだけ詳細にお伝えしなければなりませんが、参加者全員が一生懸命記録したものをホームページ、報告書としてまとめました。十分にお答えできなかったことを心からお詫び申し上げます。そして、素敵なことに既にスリランカの青年たちとのメール交換、手紙のやり取りがはじめられていることをご報告申し上げます。

合掌


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