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スマトラ沖地震・HBSスリランカ・津波被害緊急支援室
HBSスリランカ第二次支援活動レポート

支援活動に参加して

妙深寺 兼子R

 第二次スリランカ支援活動ということで、3月4日〜9日までスリランカでご奉公させて頂きました。

 スリランカの海岸沿いの地域は本当に瓦礫ばかりで、現地に着いて二日目にもなると大変に申し訳なく思いますが、思わず見慣れてしまうほど瓦礫が続きました。数万人の方が亡くなったと聞くと想像を絶しますが、永遠に続くかのような海岸沿いの瓦礫を見ると、本当に大勢の方が亡くなられたんだなと実感しました。現地の人は椰子の木の上のほうをさせて、「あそこまで津波がきたんだ」と言っていました。どれほどの恐怖や絶望感だったと思うと、何とも言えない気持ちになりました。しかし、現地の人たちは僕らを見ると笑顔で挨拶をしてくれました。一瞬、被災地ということを忘れてしまうほど、みなさん笑顔を振りまいてくれていました。子どもたちは人なつっこく、元気に走りまわっていました。そんな現地の人たちを見ると何だか自分が元気づけられているような感覚になり情けなく感じました。

 僕が今回のご奉公で一番強く感じたことは「地獄」のような状況では、御題目しかないんだということでした。被災に遭った場所へ歩いて入り、ビデオ撮影している時に現地の青年に呼び止められました。誘われるままに向うと、わずかなのブロックしかない場所を指さし、「ここが僕の家なんだ」と言われた時は本当に言葉を失いました。家族の誰かは亡くなってしまっているかもしれいと感じてしまいました。単純な英語しか話せない僕などが、たとえ英語が流暢でも同じことですが、何を言っても慰めしかならないなと思い、「南○経って唱えてみて。きっと君の将来が良く変わるから」としか言えませんでした。しかし、よく考えれば、これは本来一番伝えなければいけないことだと気付きました。本当はこれしか言えなかったではなく、一番大切なことが伝えられたんだと思いました。言うまでもなく、被災に遭った子どもたちと一緒に遊んだり、おみやげをあげたりすることは支えになります。その時間は大変貴重なものです。そしてお金は被災に遭った方々にとって大変に必要とするものです。スリランカの人々はとても感謝の気持ちを込めて義援金を受け取られました。しかし、それだけでは決してその人の苦しみを根本的に解決できるような影響を及ぼすことはできず、本当に助けたいと思ったならば、御題目しかないんだなと学ばせて頂きました。お金では大切な人を失った悲しみは癒し切れる筈もありません。その御題目をお唱えすることは、たとえ英語が話せなくても、知識がなくても、聖典のようなものがなくても、子どもでも誰でもできることで、誰でも伝えられることだと思い、なぜこのご信心が御題目口唱という形なのかがわずかながらわかったような気がしました。本当に有り難いご信心なんだなと実感しました。

 大切なことは、このことを被災に遭った方にはもちろんですが、自分の周りにいる人へ発信できるかどうかだなと思いました。スリランカの被災に遭った方々はもちろん大変な苦しみです。もはや言うまでもありません。それは誰もが実感します。突然の災害で亡くなった方、親や子や恋人、親友がいなくなってしまった人の気持ちは想像を絶します。しかし、この日本でも同じような苦しみの中にいる人はたくさんいて、その人たちにも同様に「御題目しかないよ」と言えなければならないと感じました。たしかに日本の多くの人々に比べ、スリランカの人たちは素直で純粋で、多くの人が御題目をすぐに唱え、伝えやすいということはありますが、それはあまり問題ではなく、相手がどのような人であれ、とにかく苦しんでいる人には御題目しかないと感じました。このような大変貴重なご奉公をさせて頂き、大変有り難く思います。この経験を活かしてご奉公に取り組ませて頂きます。

 最後に、無事ご奉公成就・無事帰国のご祈願をして頂いた方々に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。


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